劇場版『Gのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」(2019年11月29日(金)2週間限定上映)の上映劇場にて、パンフレットと限定グッズの発売が決定しました!
パンフレットは全68ページの大ボリューム!
劇場版『G-レコ Ⅰ』に登場するメカ・キャラクターの解説に加え、描き下ろしイラストや、富野由悠季総監督のロングインタビュー、絵コンテや美麗な原画など、ここでしか読むことができない情報が盛りだくさんとなっています。
また、グッズは、G-セルフをあしらった2種類のTシャツをはじめとする使い勝手の良い様々なラインナップが登場します。
劇場へ足をお運びの際は、ぜひチェックしてください!
★★★劇場版『Gのレコンギスタ Ⅰ』パンフレット見どころ★★★
劇場版『Gのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」の魅力を補完しアーカイブするオフィシャルパンフレット。
「MOVIE Part」、「MAKING Part」の2章構成で、「MOVIE Part」では、登場するモビルスーツ、キャラクター、世界観などを紹介。
「MAKING Part」では、富野総監督による絵コンテや、美麗な原画、普段は表に出ることのない制作資料などをじっくりと紹介。
スタッフ、キャストのインタビューも充実の全68ページ。
■富野由悠季監督 ロングインタビュー
劇場版『G-レコ』はどのように生まれ、何を訴えかけようとしたのか。
「ガンダム離れ」、「エネルギー問題」、「リアリティの追求」「過去に囚われない作品作り」、「メガファウナのキャプテンシートに貼り付けられたビキニ美女の意味」、「ガンダム40周年」まで、硬軟入り交じるトピックを抑えつつ、『G-レコ』についてじっくり語るロングインタビュー。
■石井マーク インタビュー
主人公ベルリ・ゼナム役の石井マークさんにインタビュー。
TVシリーズを経て行われた劇場版のアフレコ、そこで意識した部分やベルリの魅力、富野作品の魅力などを語る。
■パンフレット用オリジナルイラスト
「行け!コア・ファイター」のクライマックスと言えるシーンを、本編スタッフが描き下ろし!
■キャストコメント
「行け!コア・ファイター」上映を待ち望んでいたキャストたちの熱いコメントを掲載!
嶋村 侑(アイーダ・スルガン役)/福井裕佳梨(ラライヤ・マンディ役)/寿 美菜子(ノレド・ナグ役)/佐藤拓也(ルイン・リー役)/高垣彩陽(マニィ・アンバサダ役)
■演出・吉沢俊一 インタビュー
『機動戦士ガンダムNT』の監督も務め、「行け!コア・ファイター」をはじめ、劇場版の演出を担当する吉沢俊一さんに、富野総監督との制作を聞く。
■スタッフコメント
劇場版の制作進行について コメント:仲 寿和さん
劇場版での撮影について コメント:脇 顯太朗さん
【富野由悠季総監督インタビュー】(パンフレットより抜粋)
――『G-レコ』を劇場版として描き直すという発想は、TVシリーズの最中からあったのでしょうか?
富野 劇場版が上映されるということで、こういう場で嫌でも回顧しなくてはならないのだけど、そもそもレコンギスタというタイトルを思いついたのは2010年でした。僕はガンダムという冠を外すんだ、根本的にガンダム離れをしなくちゃいけないという思いがあった。だけど、ガンダムは必要だと説得されて、それで『G』のロゴを作りました。だけど、そのときは結果的にガンダムは外れなかった。
――確かにTVシリーズの正式名称は『ガンダム Gのレコンギスタ』でした。
富野 これだけ世の中、3文字か4文字に名前を圧縮している時代だから、正式名称も『G-レコ』で良いんです。そのくらいまで意味を単語の中に押し込んでいかなければいけない。YouTubeや、TikTokを触っている世代に伝えるのには。
――かつてのガンダム、宇宙世紀とは別世界として描いているわけですね。
富野 はい。
――子供向けという言い方をしている理由はなぜでしょう?
富野 ガンダムかぶれになっている人に話しても伝わらないから(笑)、ターゲットを子供にしたわけです。「行け!コア・ファイター」で、それは確信になりました。子供たちには楽しく観てもらえればいいんです。でも、用意された設定を考えていくと、エネルギーとそれに密接している環境論、人種の問題、差別の問題、すべてを包んでいます。そういうところに思いを馳せてほしいために、様々なキーワードやヒントを用意しているつもりなんです。
――一方で『G-レコ』は、多くのキャラクターがそれぞれの立場から物語を紡いでいく群像劇であることが挙げられます。会話をしている人の周囲に映っている人たちも、よく見るとその人なりのポーズや動きをしています。
富野 どうしてこんなに大勢の人が出てきてワイワイやっているかというと、みんないるから物語ができるんです。男の子ひとり、女の子ひとりだけで作る話はやりたくないの。というのも、これは年寄りの立場から言えることがあるとすると、人はひとりでは生きられないわけです。
――まったくのひとりでは生きていけないでしょうね。
富野 人はそもそも社会性を持った動物だから、それを抜きに考えることはできません。それをわかってほしい。自分の内側だけを突き詰めるのは病気でしかなくて、外に向かって顔を上げなければいけない。例えば漁師や農家の人は、自分が食べる分だけじゃなくて、他人に食べてもらうことで成立するし、それを喜んで生き甲斐にもしているでしょう。これが社会性なんです。
――安田 朗氏らによるメカ群、吉田健一氏らによるキャラクター群が創り上げたデザインワークスが、富野総監督が考える物語に貢献したとの思いはありますか?
富野 それはまったくそうです。安田テイストのG-セルフがなければ、もっと“ガンダム”になっていたでしょうね。あとは、山根(公利)さんのメカデザインも大きかったです。山根さんのデザインはあまりにもメカすぎるのだけれど、それをどのように『G-レコ』の中で使うのかは考えました。そのひとつの回答が、ブリッジの中にドニエル・トスのキャプテンシートがあるでしょう? あのシートに、ビキニの姉ちゃんのポスターが貼ってある。あれにはじつは大きな意味があります。
――どのような意味でしょうか?
富野 あれがないと、メガファウナは山根メカであって、ブリッジクルーが使う道具としての個性が出ないんです。それはもちろん説明していないけれども、絵では見せています。
――メガファウナがクルーたちの道具であり、家であることを示す「機能」としてのポスターなんですね。
富野 そう、まさに機能なんです。
――「行け!コア・ファイター」がガンダム40周年プロジェクトの一環として、2019年に劇場版が上映されるということにはどのような感慨を持っていますか?
富野 TVシリーズから4~5年経過したというのは、じつは良いことだったんじゃないかと思います。作品を発酵、熟成させる時間になった。というのも、『G-レコ』の作画スタッフたちが、劇場版になって“G-レコ、面白くなりましたよね”って言ってきたんです(笑)。つまりTVシリーズは仕事としてやっていたわけでしょ? その意味で、仕事での彼らの底力は見えたし、つまらない作業だとしたら地獄だったかもしれないけれど、ようやくそれが報われてきた。僕自身も、それ以降の話を進めていますが、第5部まで辿り着けるなと思えるようになりました。
【吉沢俊一インタビュー】(パンフレットより抜粋)
――富野総監督との作業はTVシリーズの『G-レコ』がはじめてだったのでしょうか?
吉沢 初めてですね。『G-レコ』における僕ら演出は、総監督である富野さんの指揮のもと、各話の演出を複数名で担うポジションなんです。TVシリーズのときは、富野さんに絵コンテをいただいてから演出打ち合わせを行うのが主な流れだったのですが、その内容は他の制作現場とはまったく異なりました。通常、演出打ち合わせはエピソードの概要やポイント、具体的な作品作りの指示みたいなことを聞くのですが、富野さんからは一切それがない。
その一方で、「これはこういうものだからこうやれ、と全部説明していたらそれは創作じゃなくて作業になる」、「わからないものを作るから創作だ!」とも言われました。
――吉沢さんは、富野総監督が改めて劇場版を制作している理由をどのように捉えていますか?
吉沢 TVシリーズだと時間がなくて描けなかった、世界の作り込み、劇空間にしていく、ということをより重点的に行っていると思います。5部作でまとめ直すのはかなりの労力を使うわけで、富野さんにとっても、『G-レコ』はそれだけの価値がある作品というか、未来に残したいのだと思います。富野さんの作品って昔から予言めいてるじゃないですか。
――『G-レコ』のデザインワークスを振り返って改めていかがですか。
吉沢 ベルリ、アイーダをはじめ、キャラクターはみんな素敵ですよね。メカだとやはりG-セルフじゃないでしょうか。というのも、G-セルフの頭部には尖ったアンテナがある。あの尖りこそ、作品における毒の象徴だとなんとなく思っていて。
今、第3部~第4部の制作が進んでいるのですが、TVシリーズ以上に凄惨なシーンがあったり。……何ていうんですかね、子供たちに都合の良いファンタジーを見せるのではなくて、現実を直視した映画として届ける意志が富野総監督にはあるのだと思います。